2月3日、あなたは何をまきますか-。南日本新聞「こちら373」など読者とつながる報道に取り組む全国10道県の地方紙は、節分に関する合同アンケートを実施した。もともと「五穀」の一つでもあることなどから全国では大豆をまくのが一般的だが、寄せられた回答では鹿児島を含め落花生が多数派。地域による違いが改めて浮き彫りになった。
アンケートは北海道▽岩手日報▽河北新報(宮城県)▽下野(栃木県)▽上毛(群馬県)▽信濃毎日(長野県)▽西日本(福岡)▽熊本日日▽宮崎日日-の各紙と行った。通信アプリLINE(ライン)などで呼びかけ、2389人が回答した。
「節分でまくもの」(複数回答)では落花生(62.2%)と大豆(49.3%)が双璧をなし、あめ(4.1%)、小豆(1.2%)の順。鹿児島(回答276人)は落花生(87.7%)、大豆(32.6%)、あめ(5.4%)と続いた。
岩手、宮城では7割超が「落花生のみ」と回答。北海道や長野、九州南部は5〜6割だった。北関東では「大豆のみ」が目立ち、栃木では8割近く、群馬は6割以上に。北部九州の福岡でもほぼ半数を占めた。
豆を緑茶に入れる「福茶」を飲む(群馬)、あめを落花生と一緒にまく(宮崎)-など、寄せられた各地の風習にも違いがあった。
かけ声についても質問したところ、9割以上が「鬼は外、福は内」。ただ60代以上では「福は内」とだけ言うなど“定番”とは異なる言い方が比較的多く見られた。長野では、最後に「ごもっとも」と付けるという人も少なくなかった。
節分文化に詳しい北海道博物館(札幌市)の学芸部長、池田貴夫さん(53)によると、落花生は戦後に一部地域で利用され始め、殻があることによる片付けやすさや衛生面での利点などから広まったとみられる。(合同取材班)
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アンケートは多様な声を聞き取るのが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。