南日本新聞など全国の地方紙10紙による節分アンケートでは、住んでいる地域の風習や、思い出を聞いた。鹿児島県民からもさまざまなエピソードが寄せられた。
鹿児島県薩摩川内市の主婦(70))は「イワシを玄関にかざす」、姶良市のパート女性(47)も「小さい頃、ヒイラギの木に焼いたイワシの頭を刺していた」と回答。曽於市の無職女性(69)は「イワシの干物を焼いて食べる」とした。イワシの臭いやとがったヒイラギの葉は、魔よけに効果があるとされる伝承が鹿児島にも息づいているようだ。
「お金をまく」という風習や思い出も多かった。「夕方、集落を回り、小銭と落花生をまいてもらい、小銭は鬼が入って来ないように庭に一晩埋め、次の日はそのお金でお菓子を買っていた」というのは、鹿児島市の公務員男性(64)。伊佐市の会社員男性(56)は「十字路で厄年の人が小銭をまく。小銭は庭や木戸口に埋め、翌日洗ってお菓子屋やオモチャ屋に走った」と振り返った。
「家族の年齢の合計の分の小銭をまく」「歳の数だけ豆を食べる」「前厄の男性は宴会前に髪やネクタイを切られる」との風習も。さつま町のパート女性(61)は「落花生やあめなどをまくとき、部屋の電気を消して家族で拾っていた。末っ子の自分は拾えなくて大泣きしていた」との思い出を寄せた。