アメリカザリガニを捕獲する窪健一さん=志布志市有明町蓬原
志布志市の環境省環境カウンセラーで県外来動植物対策推進員、窪健一さん(75)が同市有明の「蓬の郷親水公園」近くの用水路でアメリカザリガニの生育調査・駆除を行った。5月26日~6月7日の13日間で269匹を捕獲した。窪さんは「生態系を守るためには侵入防止と早期発見・駆除が重要」と訴える。
窪さんや環境省によると、アメリカザリガニは元々食用ウシガエルの餌として米国から持ち込まれて全国に定着し、水生生物や在来種に被害を与えている。2023年6月「条件付特定外来生物」に指定された。
窪さんらによる調査・駆除は18、22年に続き3回目。水路約200メートルにカニかご2個を設置し、9~11センチの成体を中心に捕獲した。冷凍殺処分して埋設、堆肥化する。今後は市生物多様性センターと連携して駆除に取り組み、市民への啓発も検討したい考え。
窪さんは「近くの水田や引き込み水路では今回確認されなかったが、年々生息地が拡大している。ゲンゴロウやアカハライモリが見られなくなり、本来の自然環境への影響は深刻。外来種は一度定着すると駆除の資金や労力が膨大となるため、早期対応が欠かせない」と語った。