木にかじりつくアマミノクロウサギ=奄美大島
鹿児島県大和村は14日、来春開設のアマミノクロウサギ研究飼育施設(思勝)を「アマミノクロウサギミュージアムくるぐる QuruGuru」と命名し、銘板をお披露目した。国指定特別天然記念物の保護と共存拠点を目指す。名誉館長にウサギ研究の第一人者で沖縄大客員教授の山田文雄さん(71)=茨城県守谷市=を任命した。
「くるぐる」は「黒々とした」という意味の方言。ステンレス製の銘板は横3メートル、縦0.9メートル。同日、現地で式典があり、伊集院幼村長は「世界自然遺産の奄美を国内外に発信し、多くの人に来てもらえる施設にしたい」と述べた。
獣医師1人を常駐させ、交通事故などに遭ったアマミノクロウサギを治療。回復後に森に戻し、野生復帰できない個体を飼育する。奄美の生物や自然を学ぶ場とし、包括連携協定を結ぶ東京農工大とアマミノクロウサギの生態を研究する。
この日は地元の小学生が葉が餌になるクチナシなど7本を植樹。山田さんの講演もあった。施設はコンクリート平屋一部2階建てで775平方メートル。