矢旗を背負い、力強く舞う踊り手=21日、日置市吹上の南方神社
鹿児島県日置市吹上に伝わる県無形民俗文化財の伊作太鼓踊りが21日、南方神社に奉納された。白装束の踊り手たちは軍配の形をした高さ約3メートルの矢旗を大きく揺らしながら勇壮に舞い、太鼓を打ち鳴らした。
太鼓踊りは1406年、伊作島津家4代城主久義の時代に考案されたという説がある。六つの保存会が持ち回りで奉納しており、今年は中之里保存会(内村俊彦会長)が担当した。踊り手は平打ち21人と小太鼓などの中打ち4人の計25人。鹿児島市や南さつま市などに住む出身者らにも声をかけて実施した。
太鼓や矢旗の重さは約20キロ。家族にうちわであおいでもらいながら移動し、公民館などで披露した。鹿児島市の看護師、神余(かなまる)陸人さん(24)は初めて参加し、父親の徹さん(52)と踊った。「親子での参加は最初で最後かもしれないので、うれしい。暑くて大変だったが、奉納できて良かった」と語った。
22日は雨天が見込まれるため中止となった。当初は8月28、29日に予定していたが、台風10号の影響で延期した。