150年後に何を残すかをテーマに話す総合地球環境学研究所の山極寿一さん(中央)ら=鹿児島市
150年後の世界に何を残すかを問う「薩摩会議」が21~23日、鹿児島市中央町の「Li-Ka(ライカ)1920」など県内各地であった。全国で活躍する異業種400人余りが参加。トランスフォーメーション(不可逆的な変容)を切り口に、社会システムや文化など多様なテーマでセッションを開き、変革するこれからの社会の在り方を探った。
NPO法人薩摩リーダーシップフォーラムSELF(鹿児島市)が主催。21日、ライカであったオープニングセッションでは、総合地球環境学研究所(京都市)の山極寿一所長とSELFの古川理沙共同代表が登壇した。
ゴリラなどの霊長類研究で知られる山極さんは、人間社会は高い共感力と移動、集合、対話の自由によってつくられてきたが、近年の情報社会が地縁や血縁の希薄化、文化の無国籍化を進めたと説明。「今は新たな社交による文化の再構築が求められている。薄い縁でもさまざまなネットワークに自分を入れ込んで利用できる」と述べた。
古川さんは自身が姶良市の廃校跡で進める小学校設立の取り組みを紹介し「学校は文化をアーカイブしていくハブ(中核)になれる」と話した。
22日は垂水、枕崎・指宿、屋久島など県内10カ所、23日は鹿児島市で農業やローカル鉄道、地域金融などをテーマに意見を交わした。