少年個人決勝、鹿児島の福崎真逢輝(樟南高、右)が押し出しで勝つ=玄海町社会体育館
第78回国民スポーツ大会(佐賀国スポ)は7日、佐賀県でバドミントンなどがあった。鹿児島県勢は相撲の少年個人で福崎真逢輝(樟南高)が優勝、団体も5位に入った。レスリングは少年男子グレコローマンスタイル80キロ級の後藤正太郎(鹿屋中央高)、女子62キロ級の東佐和(鹿児島国際大)が3位。弓道の少年男子近的は5位だった。8日はフェンシングなどがある。
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「日本一になるため5歳から続けてきた」。少年個人決勝、福崎(樟南高)は立ち合いから137キロの体を勢いよくぶつける。相手に何もさせないまま、押し出した。同種目で県勢45年ぶり優勝が決まった瞬間だった。
今大会、順調だったわけではない。決勝トーナメント3回戦は土俵際まで追い詰められる場面もあった。だがうまく相手をいなし、勝利につなげた。
強さの理由を安田貴浩監督(樟南高教)は二つ挙げる。一つ目は落ち着き。全国総体個人3位など高校で計4回8強入りした経験が生きている。二つ目は攻めをかわすのがうまいこと。ブラジリアン柔術やラグビーで培ったものという。
今大会はそれに仲間の思いも加わった。福崎も「仲間の頑張れという声が力になった」。5位入賞の少年団体。先鋒(せんぽう)・菅間(鹿児島実高)が勢いをもたらし、中堅の俵(樟南高)も出足の良さが際立った。大将の柳(鹿児島商)は「誰かの負けを誰かがカバーするのが楽しかった」と振り返った。
地元の奄美市で将来を期待される福崎は卒業後、大相撲に進む予定だ。「一人の力じゃない。みんなのおかげで優勝できた」と感謝した。