福岡高裁宮崎支部=宮崎市
2020年に鹿児島県鹿屋市で、交流サイト(SNS)で知り合った会社員女性を絞殺し車を奪ったとして強盗殺人や死体遺棄などの罪に問われ、一審の鹿児島地裁で無期懲役判決を受けた被告男(32)について、福岡高裁宮崎支部(平島正道裁判長)は7日までに、控訴審初公判の期日を11月14日に決めた。弁護側は、2月の地裁判決を「死亡に至る過程に事実誤認がある」として控訴していた。
地裁判決によると、被告は20年9月16日、同市の駐車場に止めた女性=当時(35)=の軽乗用車内で、車を自由に使用させるよう要求。抵抗されたためシートベルトで女性の首を絞めて殺害し、車を奪って垂水市の土手に遺棄した。
一審は殺意の有無が主な争点だった。検察側は「殺意を持ってシートベルトで首を絞めた」と主張。弁護側は「抵抗できないように両手と顔に巻いたシートベルトが鼻口部をふさぎ窒息した可能性がある」として、強盗致死罪にとどまると反論した。判決は「幅4.5センチのシートベルトで顔を覆い、同時に鼻口をふさぐのは困難」として殺意を認めた。