自転車利用者に道交法改正を周知する警察官=1日、鹿児島市のJR谷山駅
自転車走行中の携帯電話使用(ながら運転)や酒気帯びに罰則を新設した改正道交法が施行された1日、鹿児島県警は街頭で広報活動をした。自転車事故の増加を背景に、自動車と同等の罰則に強化され、「事故の加害者にも被害者にもなり得る。交通ルールを守って」と呼びかけた。
同日の通勤・通学時間帯に、警察官ら9人が鹿児島市のJR谷山駅前の駐輪場でPRした。「今日から罰則が強化されます」「暗くなるのが早まったので反射材をつけて」と声をかけ、交通安全グッズとチラシの160セットを配った。
受け取った錦江湾高校1年の男子生徒は「高校でも道交法改正の周知があった。引き続き安全運転を心がけたい」と話した。
ながら運転は、都道府県公安委員会規則で5万円以下の罰金とされていたが、改正を受け、6月以下の懲役か10万円以下の罰金が科される。事故などを起こすと1年以下の懲役か30万円以下の罰金。酒酔い運転だけでなく、酒気帯び運転にも罰則が適用されるようになり、3年以下の懲役か50万円以下の罰金となる。
自転車が絡む事故は増えている。警察庁によると、2020年以降増加し、23年は前年比2354件増の7万2339件。全交通事故の23.5%を占める。ながら運転に着目すると、23年は139件で、50件だった15年の3倍近い。酒気帯びが死亡・重傷事故を引き起こす割合は29.5%にもなり、飲酒なしの場合と比べて約2倍となっている。
県警によると、県内の自転車事故件数は減少傾向にあるが、携帯電話の使用を原因とする事故は横ばい。14~23年までの過去10年に起きた12件中、出合い頭が最多で4件あった。
交通企画課の森山英明理事官は「自動車と同等の罰則になった。自転車も車だと、より意識してほしい」と話した。