脱線現場でレールや枕木の復旧に当たる作業員ら=25日午前10時10分ごろ、薩摩川内市の川内駅付近
JR九州は25日、薩摩川内市の川内駅構内での貨物列車の脱線事故により運休している鹿児島線川内-隈之城間の運転を、31日夕方ごろから再開する見通しだと発表した。事故から20日目の再開となる。
同社鹿児島支社(鹿児島市)でJR貨物と合同で開いた会見で説明した。JR九州によると、現在はレールや分岐器、枕木など脱線で激しく損傷した設備の取り換え作業をしている。損傷した部材は既に撤去し、25日は新しい設備の据え付けを進めた。試験運転を経て再開する。
海老原毅支社長は「安全を確認した上で再開を目指す。安心して乗っていただければ」と話した。運輸安全委員会が調査中の事故原因については「言えることは今の時点では何もない」とした。
九州新幹線による川内-鹿児島中央間の振り替え輸送や、運休区間の朝夕の代替バスは31日で終了する。バスは利用状況を踏まえて26日以降は15~35分間隔に変更。時間帯や発着場所は変わらない。28、29日は運行しない。
JR貨物は運休が続く熊本-鹿児島貨物ターミナル間について、2025年1月6日から通常運行の予定とした。
貨物列車は12両編成。12日午前3時ごろ、先頭の機関車1両と続く貨車2両が脱線した。けが人はいなかった。