〈資料写真〉鹿児島港に入る桜島フェリー=鹿児島市本港新町
鹿児島市船舶事業経営審議会が27日、同市であった。9年連続で赤字が続く桜島フェリーの経営改善のため、利用の少ない深夜運航の減便を含めた見直しを提言した。
同フェリーは7月、この10年で3回目となる値上げを実施。審議会では運賃改定後の利用状況が報告された。7~11月の旅客は114万7574人で前年同期に比べ2.8%の微減。車両は40万5228台で3万4687台減り、前年同期比7.9%減だった。
深夜帯(午前0~4時)を利用する車両へのアンケート結果も説明。3割が鮮魚輸送や商品配送のトラックで、深夜便がなくなった場合は高速道路や一般道または最終か始発便を利用すると回答。7割は個人車両で通勤利用だった。
委員からは「地域に丁寧な説明をした上で、24時間運航の見直しは必要」「経営を考え、費用対効果がとれるようにしてほしい」などの意見があり、審議会は市船舶局に対し、深夜運航の見直しを提言した。
同局の橋口訓彦局長は「近年の輸送需要の変化は経営上の課題になっている。提言を真摯(しんし)に受け止め、対応について総合的に判断したい」と話した。