低速、低騒音だから安心…アマミノクロウサギ観察ナイトツアーに電動車導入

2024/12/29 16:00
「グリーンスローモビリティ」に乗ってナイトツアーに出発する関係者=天城町当部
「グリーンスローモビリティ」に乗ってナイトツアーに出発する関係者=天城町当部
 鹿児島県天城町と環境省は、アマミノクロウサギが頻繁に現れるスポットとして人気を集める同町当部集落で、低速電動車「グリーンスローモビリティ」による関係者向けのナイトツアーを実施した。国立公園区域を含む約1.8キロを低速、低騒音で走り、観察を体験した。

 ゴルフカート状の7人乗り。時速20キロ未満で公道を走る。町や同省によると、当部には観光客が多く訪れるため、地域住民は夜間のエンジン音やライトの明かりに悩まされてきたという。電動車の導入で住民の負担軽減や希少野生動物の交通事故防止、脱炭素化を期待できる。

 ナイトツアーは21日あり、五十嵐清環境政務官や塩田康一県知事ら8人が試乗。初めて野生のクロウサギを観察したという塩田知事は「意外とすばしっこい。乗り心地も快適だった」と話した。

 近くの高校講師、林倫成さん(51)は「集落民としては歓迎だが、静かすぎてクロウサギが車両に気づかない恐れがある。検証が必要だ」と指摘した。

 町は14~16日と22日、一般客向けのツアーも実施した。観光関係者の意見を踏まえ、本格実施に向けて検討を進める。

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