記者の質問に答える中谷元防衛相=10日、防衛省
中谷元・防衛相は10日の記者会見で、着工から2年を迎える鹿児島県西之表市馬毛島の自衛隊基地の総事業費について「社会インフラが整っていない離島での大規模工事で、所要額の精査に時間が必要。各年度の予算で経費の必要性を示し、適切な時期に説明する」と述べた。
中谷氏は馬毛島に基地を整備することで「南西地域の防衛体制が強化される」と強調。「早期に運用ができるよう、引き続き整備を進める」とした。
2019年に約160億円で一定の合意に達した土地買収額に関しては「さまざまな要素を総合的に勘案し、所有者との交渉を通じて決定した。適正と考えている」と言及。現在も取得の手続きが進んでおり、「売買額の根拠は適切な段階で説明したい」と語った。
防衛省は25年度予算案に馬毛島関連473億円を計上し、南日本新聞の集計で契約ベースの合計が1兆円を超えた。基地は23年1月12日着工、計画より3年遅れの30年3月完成見通し。総事業費は大きく膨らむ可能性がある。