オイルを手にする水原希子さん(右)とローラさん=14日、東京都渋谷区
俳優・モデルの水原希子さんが手がけるコスメブランド「kiiks(キークス)」が、鹿児島県錦江町の耕作放棄地で取れた茶の実を使ったヘアオイルを発売した。14日、都内で発表会を開き、「地域課題の解決につなげたい」とアピールした。
同町では茶畑の耕作放棄地が増え、活用が課題となっている。植物を原料に化粧品を製造するボタニカルファクトリー(南大隅町)の黒木靖之代表の提案で開発。水原さんの長年の友人で、アロマの資格を持つモデルのローラさんにも協力を依頼した。
茶実油のほか、鹿児島市桜島のつばき油やホホバオイルが原料。白檀(びゃくだん)やジャスミンも加え、ローラさんが香りを調整した。併せて、職人の数が減っている「薩摩つげ櫛(くし)」も本数限定で販売する。
水原さんは「素材そのものの良さを実感できる高品質なオイル。全身に安心して使って」。ローラさんは「自然豊かな鹿児島は心ひかれる場所。ビューティーを楽しむと同時に、環境配慮へのきっかけになれば」と話した。「グリーンティーシードヘアオイル」6050円。オンラインで購入できる。
■水原希子さんとの一問一答は次の通り。
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なぜ茶の実を使ったオイルを作ったのか。
「鹿児島は茶の産地である一方、消費低迷や農家の高齢化で耕作放棄地も増えているという話を聞き考えた。茶の実は高品質のオイルが抽出できる。せっかく作るなら放棄地の問題も知ってほしいと思った」
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ローラさんとタッグを組んだ。
「同じ雑誌のモデルをしていて親交があり、互いに米ロサンゼルスが拠点。アロマやコスメ作りに詳しい彼女と、一緒に商品を作ってみようと話をした」
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薩摩つげ櫛(くし)も販売する。
「友人にプレゼントしてもらって以来、とりこになった。ただ、職人が減っていて危機的状況。手間暇をかけて作るつげ櫛は一生使える。一つの物を長く愛することは心の豊かさにつながる。若者や海外の人にも魅力を伝えたい」
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商品を通じて発信したいことは。
「日本の自然を生かしたコスメを作りたいという気持ちで始めたブランド。農家や伝統工芸の後継者不足、竹害の問題など、社会の現状や課題を知り行動を起こすきっかけになりたい」