枝肉部門で2連覇を果たした鹿屋農業高校の生徒=17日、東京(同校提供)
畜産を学ぶ全国の高校生が和牛飼育の工夫や技術を競う「第8回和牛甲子園」が16、17日、東京であり、鹿屋農業(鹿屋市)が枝肉部門の最優秀賞に輝いた。昨年に続く総合優勝は逃したものの、部門別トップは2年連続3回目。市来農芸(いちき串木野市)も2部門入賞と好成績を残した。
25道府県40校が出場し、飼養管理の工夫を発表する取り組み評価と、肉質をみる枝肉評価の2部門で競った。総合優勝は西条農業(広島県)だった。
鹿屋農業の最優秀賞の枝肉は、重量653キロ、ロース芯面積115平方センチ、バラの厚さ11.3センチ、皮下脂肪2.0センチ、BMS(霜降り度合い)ナンバーは最高の12だった。特に歩留まり基準値(81.9)の高さが評価され、「外観、肉質共に最優秀賞に最もふさわしい」と講評された。
同校は鹿児島黒牛研究部の部員たちが子牛の頃から日々の体調管理に努め、健康的な発育に気を配ってきた。昨年9月には鹿児島市の食肉処理場を視察して枝肉の目利きの技術を学んだ。3年の門原真央さんは「枝肉で2連覇できてうれしい。もう1頭が入賞外だったのは残念だけど課題点をみんなで考え、後輩たちにはより良い牛づくりをしてほしい」と力を込めた。
市来農芸は牛の発情抑制による生産性改善効果などを発表して優秀賞を受賞し、枝肉も優良賞に選ばれた。7大会連続の上位入賞に3年宮脇優さんは「強豪の意地は見せられた。全国の同世代とつながりができたのも良かった」と話した。
全国農業協同組合連合会の主催。鹿児島県からはほか鶴翔(阿久根市)と曽於(曽於市)が出場した。