立候補予定者の演説の前にあいさつする主催者=19日、西之表市民会館
鹿児島県西之表市長選を前に立候補予定者の考えを聞く合同演説会が19日、同市民会館であった。これまで立候補の意向を示した7人のうち6人が、1次産業の再生など市が抱える課題に焦点を当て、解決策や市政運営を担う思いを市民約120人に訴えた。
登壇したのは順に医師三宅公人氏(72)、元市議浜上幸十氏(74)、現職八板俊輔氏(71)、元市職員鮫島斉氏(47)、会社員鎌田孝章氏(45)、前市議杉為昭氏(58)。杉氏は市長選を断念する考えを表明。会社役員池田恵衣子氏(70)は欠席した。
馬毛島の自衛隊基地整備については、三宅氏が反対の姿勢を改めて強調した。八板氏は賛否に踏み込まず「基地ができるのであれば失うものを超える恩恵を引き出す」と主張。浜上氏は受け入れた上で国による各種支援の拡充、鎌田氏は基地工事終了後の産業のあり方を問題提起した。鮫島氏は「容認」とする一方、国の進め方を注視する必要があるとした。
まちづくりに取り組む地元NPO「ジュントス」が企画。竹下秀樹副理事長は「それぞれの政策や現状認識を知り、有権者の政治意識の向上や判断材料につながれば」とあいさつした。
市長選は市議選と同日程の26日告示、2月2日に投開票される。
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前市議・杉氏は出馬を断念
前西之表市議の杉為昭氏(58)は19日、次期市長選を断念し、市議選に立候補する考えを表明した。同日の合同演説会で「候補者乱立で再選挙が予想され、意にそぐわない人の当選もあり得る。政治家として市民の混乱を防がなければ」と述べた。市長選への立候補予定者は6人となる。
演説会終了後の取材に「馬毛島の基地整備に賛成する立候補予定者が多く、票が割れかねない」と説明。支援者から市議選への立候補を求める声も多かったとし、「市議会を市民ファーストの組織に変えたい」と話した。市長選で特定の候補者を支援する考えは現時点ではないという。
杉氏は2024年3月の市議会一般質問で市長選に立候補する意向を表明。12月27日付で市議を辞職していた。