鹿児島の両半島結ぶ新定期航路、2月運航開始 小型高速船で片道30分、マリンポートと鹿屋港結ぶ なんきゅうドック

2025/01/21 06:27
定期航路での運航を見据え試運転する「なんきゅう8号」(なんきゅうドック提供)
定期航路での運航を見据え試運転する「なんきゅう8号」(なんきゅうドック提供)
 小型船舶の船体やエンジンの修理を手がける「なんきゅうドック」(鹿児島市)が計画するマリンポートかごしま(同市)と鹿屋港(鹿屋市)を結ぶ定期航路の開設が20日、2月1日に決まった。昨夏予定から大きくずれ込んだものの、同ドックの今村弘彦会長(85)は「大隅半島の活性化に貢献したい」と話す。

 定期航路開設へ向け九州運輸局に申請し昨年10月24日付で許可を得た。同社などによると、マリンポートの港湾管理者の県と係留場所などの運営方法について協議が長引き、運航開始日が何度もずれ込んでいた。20日午前の書面交換で、正式に開設日が定まった。

 使用する小型高速船「なんきゅう8号」(18トン)は60人乗り。片道約30分で結び、クルーズ船の入出港時間などに合わせ朝夕1往復ずつ運航する。中学生以上1800円、小学生以下900円。大隅半島への二次交通や生活の足としての利用を想定する。

 今村会長は「まずは鹿児島の交通弱者の力となりたい。単身赴任する社会人や一人暮らしする学生の帰省にも役立てばうれしい」と意気込む。船には自転車も10台程度積み込めるといい、「いずれはクルーズ客の足にもつなげたい」と目標を語った。

 3月からは、鹿屋港を起点に根占港を経由して佐多岬と雄川の滝を巡るバスツアーへの活用が決まっているほか、春以降はクルーズ船と連携するオプションツアーの調整も進む。

 県港湾空港課は「変化するクルーズ客の需要に対応でき、経済効果が県内各地に広く波及することを期待している」としている。

 なんきゅうドックは、山川(指宿市)-根占(南大隅町)を結ぶ定期船「フェリーなんきゅう」も運航する。開設後、薩摩半島と大隅半島を結ぶ定期航路は、鴨池・垂水フェリー、桜島フェリーに続き4航路目となる。

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