会話しながらボールを磨く施設利用者=鹿屋市下祓川町
鹿児島県鹿屋市下祓川町のデイサービスセンター鹿屋長寿園の利用者が、リハビリなどの一環で野球ボール磨きに取り組んでいる。市内の鹿屋中央高校野球部の練習球で、同校関係者は「きれいなボールで練習できてありがたい」と喜んでいる。
園側が職員の親戚に野球部のコーチがいる縁で昨年12月に話を持ちかけ、始まった。施設の入り口にボールと消しゴム、布巾を置き、誰でも空き時間に磨けるようにしている。園管理者の小中原陽子さん(50)は「手指の運動にもなり、利用者は野球好きが多い。『このボールで甲子園に行けばいいね』などと雑談で盛り上がっている」と話す。
1月初旬には早速、磨き上げた1箱100球を届けた。山本信也監督(51)は「ボールを通して生徒も温かいパワーをもらっている。練習試合を見に来てもらうなど、恩返しを考えたい」と語る。
16日は、地元の高齢者サロン「あじさい会」の9人も加わって磨いた。利用者の稲田スエさん(80)は「好きな歌の話をして楽しい時間になっている」。あじさい会の坂元郁子さん(76)は「力がいるから肩が凝ったけど、同年代と笑いながら磨けてよかった」と話した。