6人立候補しても「投票したいと思える人は…」 馬毛島自衛隊基地整備に揺れる西之表の市長選、有権者からは嘆きの声も

2025/01/27 10:52
〈馬毛島の変化を写真で比べる〉上空から見た馬毛島。上は2023年1月12日撮影、下は25年1月10日撮影=いずれも本社チャーター機から
〈馬毛島の変化を写真で比べる〉上空から見た馬毛島。上は2023年1月12日撮影、下は25年1月10日撮影=いずれも本社チャーター機から
 26日に始まった鹿児島県西之表市長選。馬毛島の自衛隊基地整備という巨大な国策と向き合い続ける4年間を誰に託すのか。市民の思いを聞いた。

 東岸の安城校区に1人で暮らす男性(90)は、車で30分ほどかけて西岸の市街地まで買い物に行く。基地整備による地域活性化に期待する一方、「バスの本数を増やすなど、中心部から離れた地域のことも考えて」と望んだ。

 茶農家は価格低迷に加え、燃料や輸送費の高騰で厳しい経営環境に苦しむ。古田校区の女性(56)は「農業や畜産など主幹産業の活性化につながる政策を」と要望。基地整備については「いい面ばかり伝えられ、悪影響は伏せられがちだ。国から情報を引き出し、先を見据えて対応できる人を選びたい」と話した。

 市街地に近い自営業の女性(66)は「生活に直結する身近な問題を解決できずして大きな問題(基地整備)には対処できないことを分かってほしい」と指摘。6人が立候補したことに「多くの公約を実現する力があるのだろうか。今のところ投票したいと思える人がいない」と嘆いた。

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