上空から望む桜島と鹿児島湾(鹿児島市提供)
日本ジオパーク委員会(委員長・中田節也東京大学名誉教授)は27日、東京都内で会合を開き、桜島・錦江湾ジオパークの再認定を決めた。協議会の活動が活発なことに加え、「質の高い看板の設置や地域活性化に貢献した出版物が評価できる」とした。
ジオパークは地形や地質などの地球活動の記録を保全し教育研究に生かす取り組み。「桜島・錦江湾」は2013年、鹿児島市と鹿児島湾(錦江湾)の一部で日本ジオパークに認定。21年に鹿児島、姶良、垂水3市全域へのエリア拡大が認められた。
再認定の審査は4年に一度ある。委員会は「理念の浸透や見える化が進み、複数自治体で構成するジオパークとしての運営体制が強化された」と評価。一方で、統一した地域ブランディングに課題が残るとした。
桜島・錦江湾ジオパーク推進協議会会長で鹿児島市の下鶴隆央市長は「今後も3市で連携しながら魅力的な地域づくりに取り組み、世界に誇れるジオパークを目指す」とコメントした。
「桜島・錦江湾」はユネスコ世界ジオパークに向け、霧島ジオパークとエリア統合の協議を進めている。中田委員長は「それぞれの火山の歴史や文化を対比させて世界に訴えるいいチャンスだ」と期待を寄せた。
委員会は同日、蔵王ジオパーク(宮城)を新たに認定した。日本ジオパークは48地域となり、うちユネスコ世界ジオパークは10地域。