「頴娃トレ」で一緒に体を動かす生徒たち=南九州市の頴娃高校
鹿児島県南九州市の頴娃高校は冬季の週2回、さまざまな部活動生が放課後一堂に会してトレーニングする「頴娃トレ」に力を入れている。保健体育の吉浦知子教諭(53)が呼びかけ、2021年にスタートした独自の取り組み。生徒数が少ない状況でも、互いに高め合いながら鍛錬に励んでいる。
同校は全校生徒148人(24年度)で、部活動生が約7割を占める。3年生が引退する夏秋以降は部員が大きく減る競技もある中、吉浦教諭は「部活動の垣根を越えて刺激を与え合うことで、きつい冬季トレーニングも意欲的に取り組み心身を鍛えることができる」と効果を説明する。
期間は毎年12月から翌2月までの3カ月間で、1回30分~1時間程度。最近では野球やバレーボール、ソフトテニスなど、運動部生の大半が参加するようになった。本年度9回目の開催となった23日は、陸上男子三段跳びで世界大会に出場した山本凌雅選手(JAL)や、走り幅跳びが専門の手平裕士選手(F-RUNかごしまWingsAC)ら3人のトップ選手もゲスト参加。生徒約50人と一緒に、棒や段差を使う運動と100メートル走に取り組んだ。
ゲストで、東京五輪女子400メートルリレー代表の鶴田玲美選手(南九州ファミリーマート)は「生徒のやる気や熱意が伝わってきた。基本的な動きが中心で、いろいろな部活動に生きてくると思う」と感心した様子。サッカー部主将の2年、岡村潤之介さんは「ほかの部と高め合いながら、いつも楽しく運動できている。トップ選手の動きからも刺激をもらえた」と手応えをにじませた。