食材SOS! 物価高が子ども食堂直撃 ガソリン値上げで輸送も青息吐息…「思いやりも地産地消を」 出荷できない野菜の持ち込み呼びかけ

2025/01/30 11:47
企業などから提供された食材を仕分けする子ども食堂運営者ら=23日、鹿児島市卸本町
企業などから提供された食材を仕分けする子ども食堂運営者ら=23日、鹿児島市卸本町
 野菜などの高値が、鹿児島県内の子ども食堂を直撃している。企業や農家からの食材提供や寄付に支えられ無料や低額で食事を提供してきたが、ガソリンや資材など多岐にわたる物価上昇で、運営者から今後への不安が聞かれる。支援団体は「思いやりも地産地消して」と、地域の食堂への協力を呼びかける。

 鹿児島市の「かごしまこども食堂支援センターたくして」は月2回、企業などから寄せられた食材を県内各地の食堂に配る。23日は25カ所の関係者が卸本町のセンター事務所に集まり、白菜や大根、ネギなどを持ち帰った。

 「1月の食材費は昨年に比べ2万円近く増えた。食材提供は助かる」と話すのは、同市のマーガレット代表の井手フキ子さん(70)。月1回、運営する放課後等デイサービス(放デイ)の敷地で最大70食を無料で提供する。「放デイを利用する障害のある子や保護者の居場所になっている。長く続けたいが、費用面の不安はある」

 弁当約230食を月1回作る枕崎市のスマイルキッチンにんぎまんまは昨年、容器代の高騰を受けて高校生以上の料金を50円上げて350円にした。運営の茅野幸治さん(73)は「地域の人に食材をもらうこともあるが毎回はできない。このまま物価高が続くとどうなるのか」と心配する。

 支援企業も影響を受ける。鹿児島銀行は2020年度から月2回、米や肉、卵、野菜、果物を購入して提供する。担当の坂本亜希子さんは「ここ半年ほどで急激に物価が上がったと感じる」と話す。特に米はほぼ倍になったという。「食堂数も増え、一企業ができる支援には限界がある。より多くの支援者が関わるようになれば」と願う。

 NPO法人の調査によると、県内の子ども食堂は196カ所。「たくして」の園田愛美理事長は「ガソリン代も上がり、配送の負担も大きい。出荷できない野菜などあれば近くの食堂に届けてほしい。各地域で食材や思いやりを地産地消ができたら」と話す。各地の開催状況は、県やかごしまこども食堂・地域食堂ネットワークのホームページで確認できる。

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