下水道損傷が原因の「道路陥没」5年間で11件 延長241キロが標準耐用年数超える 進む老朽化に県は「陥没件数増える可能性ある」

2025/02/01 07:00
〈イメージ写真〉陥没した道路(記事とは関係ありません)
〈イメージ写真〉陥没した道路(記事とは関係ありません)
 1月28日に埼玉県で発生したトラック転落事故をはじめ、地下の下水道管の老朽化が引き起こす道路陥没が全国で多発している。鹿児島県内で汚水の下水道損傷が原因となった陥没は、2019~23年度の5年間で11件あった。現時点で増加傾向は見られないが、県は今後は老朽化の進行で「陥没の件数が増える可能性がある」としている。

 23年度の発生分は3件で、いずれも鹿児島市内。市によると、幅や深さが1メートルに満たないなど小規模だった。

 国のデータでは、2022年度に全国で発生した道路陥没は計1万548件で、うち13%が下水道設備に起因する。

 鹿児島県生活排水対策室によると、関東など都市部と比べ県内では下水処理設備の普及が比較的遅く、公共下水道の普及率は23年度末時点で全国44位の43.7%。下水管の総延長3834キロのうち標準的な耐用年数の50年を超える部分は約6%の241キロとなっている。

 同対策室の綾織孝文室長は「20~30年後には老朽化対策が必要な箇所は大きく増える」とみる。「耐震化工事の必要性も叫ばれる中、予算と人手を確保するのは簡単ではない」とし、「市町村と連携しながら優先順位を付けて改修を進めたい」と話した。

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