進む自衛隊基地整備、私たちの島の未来は…継続か、変化か、転換か 現職と新人5人が最後の訴え、西之表市長選は2日投開票

2025/02/01 21:36
 任期満了に伴う鹿児島県西之表市長選は1日、選挙戦最終日を迎えた。馬毛島の自衛隊基地整備を巡る市民の不安や不満が、3期目を目指す現職に新人5人が挑む構図を生んだといえる。市政を継続させるのか、変化を求めて新たな道を探るのか、「基地反対」に転じるのか-。6人は雨も降る中、必死に支持を呼びかけた。

 会社役員池田恵衣子さん(70)は、漁協での演説で「農林水産業の再興と人材確保・育成を支える」と約束。米軍再編交付金に言及し「みんなメリットを感じていない。市民と有効な使い方を考える」と述べた。

 元市職員鮫島斉さん(47)は買い物客の多いスーパー近くに立ち、仕事と育児を両立させる「本気の少子化対策」を主張。基地整備にも触れ、「賛否で二分する現状をまとめる。わくわくする街を」と訴えた。

 基地反対を掲げる医師三宅公人さん(72)は、馬毛島に最も近い住吉地区で騒音被害の懸念を強調した。「1人では力にならない。皆さんの助けを借り、環境基準を守れない訓練を止めたい」と頭を下げた。

 現職八板俊輔さん(71)は締めくくりの演説で馬毛島問題に約半分を割いた。「多様な意見に耳を傾け、対応することが重要」と力説し、2期8年の実績を糧に「国と交渉できるのは私だけだ」とアピールした。

 会社員鎌田孝章さん(45)は、1次産業中心の経済振興と子育て支援が柱の「帰れるまち」実現を目指す。市街地で「どうすれば若い人が帰ってきて持続可能なまちになるのか、一緒に考えよう」と声を強めた。

 元市議浜上幸十さん(74)は公営住宅の近くで街頭演説。基地推進派として米軍再編交付金の有用性を説明し、「経済再生や防災力強化など、自衛隊がいることで地域課題の解決につながる」と持論を語った。

 期日前の投票者数は3373人。一騎打ちで実質的に基地の賛否が問われた前回2021年(3613人)に迫り、同じく6人の争いで再選挙となった17年の1回目(2391人)を大きく超えた。

 2日の投票は午前7時~午後7時、市内13カ所である(安城、中割、立山の3校区は午後6時まで)。開票は午後8時半から市民会館。

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