かつて群舞したホタルが1匹もいない…観光ホタル舟は今年も中止 「さおさし」訓練は継続 さつま町神子地区

2025/02/09 20:27
〈資料写真〉
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 鹿児島県さつま町神子地区の川内川で例年5月にホタル舟を運航する「奥薩摩のホタルを守る会」は、激減しているホタルの回復が見込めないとして今季の運休を決めた。コロナ禍の影響もあり6年連続の中止。舟を生かした別行事を検討する年にしたいという。

 守る会は2002年から運航を続け、05年のピーク時は16日間で3333人が乗船した。近年は21年の大雨で幼虫やその餌になるカワニナが大量に流されたことなどを原因として、激減した状況が続く。

 川内川河川事務所が昨年5月16、22日の午後8~10時に運航区間数カ所で30秒ずつ実施した飛翔(ひしょう)状況の目視調査では、1匹も確認できなかった。守る会はカワニナもほとんど確認できていない現状を踏まえ、中止を決めた。

 運休しても河川清掃や舟を操る「さおさし」の訓練は継続。回復には時間がかかるとみており、星空観察など舟を使った新たな行事の検討も進める。栗野明男会長(71)は「理想は運航再開だが現状では厳しい。少しでも川内川を生かした地域の活性化につながる取り組みを考えたい」と話した。

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