馬毛島基地整備巡る反発もある中…市民は「継続」選択 西之表市長に3選の八板さん「私の考えに一定の理解得た」

2025/02/03 06:03
支持者と握手を交わす八板俊輔さん=2日午後9時56分、西之表市西町
支持者と握手を交わす八板俊輔さん=2日午後9時56分、西之表市西町
 6人が争った2日の鹿児島県西之表市長選で、市民が選択したのは「継続」だった。3選を果たした現職八板俊輔さん(71)は、馬毛島の自衛隊基地整備を巡る対応にかつての支持者から反発も出る中、2期8年の実績を重点アピール。逆風に耐え、「信任」を強調した。

 八板さんは午後9時半すぎ、支援者が待つ同市西町の公民館に姿を現した。報道陣に「仕上げをしっかりしなさいということ。私の考え方に一定の理解をいただいたと考えている」と語った。

 基地整備に反対の立場だった過去2回と異なり、今回は市民感情に配慮した「賛否両にらみ」の姿勢で臨んだ。選挙戦では「二者択一で解決する問題ではない」と繰り返した。「訴えてきた『市民の不安の解消と期待の充足』は、相反するテーマだが国との協議が必要」と説明。「西之表市をいい方向に持っていかなくてはならないのが前提だ」と力を込めた。

 一方、敗れた会社役員池田恵衣子さん(70)は市長選を見据え、昨夏ごろから精力的に各地を回り、市民の声に耳を傾けてきた。「現役世代の男性に思いが届かなかったのかもしれない」としつつ、「国と交渉しない、方向性が見えない市民の不安が2000票に表れた」と指摘した。

 基地容認の候補が4人となり、票の分散が懸念されていた。「私の力不足。(賛成派で)一本化できれば違った状況だったかもしれない。4人の得票も考えて市政に取り組んでほしい」と訴えた。

 医師三宅公人さん(72)は、かつて「基地反対」を掲げていた八板さんが黙認に転じたことから、国に再び「基地ノー」を突きつける意気込みで立ち上がった。1000票に届かず、「基地反対は少数派になってしまった。着工という既成事実が大きい」と肩を落とした。「基地推進が認められたことになる」と漏らし、「現実に起きているマイナスなことを早急になんとかしてほしい」と注文した。

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