鹿児島県の2025年度一般会計当初予算案が、総額約8500億円になることが4日分かった。原油高・物価高対策に加え、基幹産業の「稼ぐ力の向上」や子育て支援に引き続き重点配分する。24年度当初より約100億円多く、2年ぶりのプラス編成となる。
7日に発表し、19日開会の県議会3月定例会に提案する。県が鹿児島港本港区(鹿児島市)のドルフィンポート跡地に計画する新総合体育館事業の関連予算は計上していない。
「稼ぐ力」のうち農林水産業関係は生産基盤の強化や低コスト化、輸出拡大に取り組む。観光関係は国内外からの誘客や鹿児島空港国際線の受け入れ体制確保、観光地域の高付加価値化に力を入れる。製造業・サービス業の生産性や付加価値向上、産業競争力の強化で企業を支援する。
結婚を見据えた出会いの創出、妊娠・出産の負担軽減、子ども医療費助成の拡充で段階に応じた総合的な対策を推進する。
組織改編では、4月に開校する「かごしま林業大学校」の円滑な運営を図るために、森林技術総合センターの既存組織を改組して「普及指導・育成部」を設置する。全庁的なPR・観光関連施策の企画立案機能の強化を図るため、課長級の「PR観光企画監」を置く。児童虐待相談対応件数の増加を踏まえ、相談所の人員を増やして体制を強化する。