バレンタインに向けた特設店ではフィナンシェやチーズケーキ、フロランタンなど幅広い選択肢が並ぶ=鹿児島市のアミュプラザ鹿児島
鹿児島市内の商業施設で、14日のバレンタインデーへ向けた商戦が本格化している。各店は主流になりつつある自分用の「ご褒美系」をはじめ、原材料のカカオ豆の高騰からチョコ以外のスイーツや雑貨を充実させるなど、「多様化」をテーマに工夫を凝らす。
アミュプラザ鹿児島は、特設売り場を順次拡大している。運営するJR鹿児島シティ営業部営業企画課の金井健太朗主任(27)によると、チョコの代替品を用意する店舗もあり、マカロンやフルーツ大福、焼き菓子なども並ぶ。「チョコだけではない選択肢を楽しんでもらえれば」
原産地の天候不良などでカカオ価格は高騰している。山形屋によると、今年はご褒美系の高級チョコをはじめ例年より5~20%高めだが、30人に聞いた予算アンケートでは「自分用」は3000~5000円と、義理(~1000円)や友人(~2000円)、本命(~3000円)より高く需要はあるとみる。食品仕入部の下窪良課長(38)は「購入目的も多様化している」と分析。より間口を広げようと、クッキーやキャンディーも充実させる。
雑貨店のロフトは2年前からバレンタインを催事名から外す。「スイーツや雑貨を楽しむイベント」がコンセプトで、鹿児島ロフト(マルヤガーデンズ内)では、キャラクターがデザインされた缶やポーチ、動物モチーフの商品が目立つ。中口渉マネジャー(44)は「かわいらしいものからユニークなものまで幅広くそろえた。みんなで楽しめる期間にしたい」と話す。
初めて自分用チョコを購入した同市郡元町の会社員女性(53)は「少しぜいたくだけど、自分へのご褒美。チョコに限らず、デザインで選んでいます」と笑った。