新作「いちご」
本場奄美大島紬協同組合の若手職人でつくるプロジェクトが立ち上げた和装ブランドが1月末、フランス・パリで新作「いちご」を発表した。和装デザイナーのウエオカタロー氏がデザインしたイチゴ柄で、現地在住の日本人や着物に関心のあるフランス人らから好評を集めた。
ブランド名は奄美の方言で驚いたときに使う「age!!(アゲ)」。年齢問わず着られるびっくりするような商品開発を目指している。
パリの着物店で発表した新作は、泥染めの黒褐色を下地に、イチゴ柄が白く浮かび上がる斬新な柄。着物に加えストールやぬいぐるみなどの小物を含む約100点を展示販売した。
プロジェクトリーダーの南晋吾さん(43)=鹿児島県龍郷町、夢おりの郷=と、元允謙さん(43)=奄美市、はじめ商事=もパリに赴き、直接商品を説明。反物の受注はなかったが、小物の売れ行きは好調だった。
昨年は月と太陽を表現した「箔大島」を発表し、米ニューヨークでも展示された。南さんは「これまでは古典柄が中心で、新しい柄への挑戦は難しい部分もあった。いい意味でイメージを壊すきっかけにしたい」。元さんは「海外での反応はとてもいい。大島紬をはじめ、まだまだ知られていない奄美や日本の文化を発信できたらいい」と話した。