弁当の製造・販売「おはらフーズ」破産申請へ 負債6億7000万円、コロナ禍のイベント自粛や外出控えで受注減、原材料や人件費の高騰追い打ち

2025/02/13 06:00
 弁当の製造、販売を手がける「おはらフーズ」(鹿児島市、林勢至社長)が、近く鹿児島地裁へ破産手続き開始を申し立てることが12日、分かった。東京商工リサーチ鹿児島支店や代理人弁護士によると、負債総額は6億7000万円で、債権者は金融機関や仕入れ先など約140件。10日に事業を停止し、従業員約50人は全員解雇した。

 同社は1970年創業。76年に「おはら弁当」として法人化し、2019年に「おはらフーズ」に社名変更した。鹿児島市犬迫町の本社のほか、同市中央町の一番街などに小売店や飲食店を4店舗展開、山形屋(同市)にも出店していた。ピーク時の07年には売り上げが10億円を超えていた。

 競争激化などの影響で、09年以降は経営が悪化。17年ごろから金融機関の協力を得て再建に取り組んでいたものの、新型コロナウイルス禍に伴うイベントや外出の自粛で受注が減ったことに加え、原材料や人件費の高騰が追い打ちをかけた。本社以外の店舗は24年8月までに全て閉店した。

 同社関係者は「経費上昇に合わせて商品を値上げすると売れなくなり、利益確保が難しくなっていた。できることはやってきたが限界だった」と話した。

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