水俣病懇談会、出席者の切実な訴え断ち切った昨年のマイクオフ踏まえ「適切な時間確保」と環境相 被害者団体は生きているうちの救済求め都内で集会

2025/02/15 11:00
国会議員に協力を呼びかける水俣病特別措置法の救済策を巡る集団訴訟の原告=14日、東京・永田町
国会議員に協力を呼びかける水俣病特別措置法の救済策を巡る集団訴訟の原告=14日、東京・永田町
 浅尾慶一郎環境相は14日の記者会見で、5月1日に熊本県水俣市である水俣病犠牲者慰霊式について「国会など諸般の事情が許せば参列したい」との意向を示した。その後の関係団体との懇談に関しても「昨年の反省を踏まえて適切な時間を確保する」と語った。

 水俣病の被害者団体などでつくる「水俣病被害者・支援者連絡会」は12日、環境省との意見交換で環境相の慰霊式前の現地訪問を求めた。浅尾氏は「実務者協議の状況を踏まえつつ、適時適切に判断したい」と述べるにとどめた。



 水俣病被害者救済の最終解決に向けた集会が14日、東京・永田町の衆院議員会館であった。水俣病特別措置法を巡る集団訴訟の原告らが超党派の「水俣病被害者とともに歩む国会議員連絡会」に国への和解の働きかけを要請。新たな救済法案の今国会提出も求めた。

 特措法の救済対象から外れた人たちが国などを相手に起こした集団訴訟では、昨年4月までに大阪地裁が原告128人全員を、熊本、新潟の各地裁が原告の一部の水俣病罹患(りかん)を認めた。東京を含む4訴訟の原告は計1700人に上る。熊本訴訟原告の森正直さん(74)は「原告の平均年齢は75歳を超える。生きているうちの救済が1番の願い」と訴えた。

 立憲民主党が中心の連絡会は新たな救済法案の提出を検討している。弁護団は「特措法に申請できなかった人に限らず、非該当だった人も救済の対象に」などと要望。連絡会の西村智奈美会長は「超党派の利点を生かし、何とか今国会で道筋をつけたい」と話した。

 集会は連絡会が主催し、約100人が参加した。

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