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垂水市の高峠周辺で、陸上では県内最大規模の風力発電事業を計画しているユーラスエナジーホールディングス(東京)が、規模縮小など計画の見直しを進めていることが14日、分かった。事業実施想定区域の一部に鹿児島大学の高隈演習林が含まれていたが、同大側から認めない旨の通知があった。見直し後の区域や着工時期などは未定。
同社によると、実施想定区域は2380ヘクタールで、一部に同大演習林が含まれていた。定格出力4000~6000キロワット級の風力発電機を最大32機設置、総出力は最大で約19万2000キロワットを見込んでいた。2022年7月、環境影響評価(アセスメント)の手続きの第1段階となる配慮書を公表した。
鹿大は学内で計画による生態系への影響や災害リスク、教育への影響などを検討。23年12月に「教育・研究に支障を及ぼす可能性がある」として、利用を認めない通知を学長名で同社に送付した。
通知を受け、同社は規模の縮小を想定した計画見直しを進めている。同演習林を実施想定区域から外すかを含め、見直し後の基数や工事のスケジュールなどは未定。同社広報は「無理に進めることは考えていない。地元の理解を頂いた上で次の計画を進めたい」としている。