砂浴場の消毒作業をこなす加藤義人さん=指宿市の砂むし会館砂楽
鹿児島県指宿市と市営砂むし会館「砂楽」は、移住を検討する人が働きながらお試しで滞在できる「チャレンジワーク」の試行を始めた。同市ならではの仕事と暮らしを実際に体験し、魅力を知ってもらうことで、関係人口の増加と働き手確保の両方につなげる狙いがある。
市外からの移住促進に力を入れる市と、慢性的な人材不足に悩む同館が連携して初めて企画した。移住を検討する人に旅費の一部と住居を提供。週5日、砂むし温泉施設内で客の誘導や砂浴場の整地、消毒などを担当してもらい、希望に応じて住民との交流機会などを設ける仕組みだ。
愛知県碧南市の男性(61)は、将来的に温泉地での移住を検討する中で募集に応じた。1月末から約3週間の予定で、砂楽近くのゲストハウスに滞在中だ。仕事は体力勝負で大変さもあるというが「食べ物はおいしいし、毎日温泉に入れる環境は素晴らしい」と魅力を語る。
20日からは、東京都の大学生2人が約1週間滞在予定。市によると、同事業の来年度以降の実施は未定だが「参加者の感想や反省点を踏まえた上で、今後の移住促進策に反映させていきたい」としている。