大勢の人で混雑する確定申告会場=19日、鹿児島市
2024年分の所得税などの確定申告が始まった。個人事業主だけでなく、払いすぎた税金が戻る還付申告をする人も多い。昨春定年を迎え嘱託社員になった記者も、前年より収入が減ったため還付対象になるという。ただサラリーマン生活39年目、税金関係はすべて会社任せで、手続きはまったく分からない。インターネットを活用した電子申告ができると知り、鹿児島税務署の助言をもらいながら、スマートフォンで挑戦した。
手続きができるのは、「国税電子申告・納税システム(e-Tax)」。スマホで使うには、マイナンバーカードを取得し、マイナポータルアプリをインストールしておく必要がある。
国税庁のホームページを開き、「令和6年分確定申告」をクリック。そこから画面の案内に従い、進めていく。大まかな流れは、(1)「所得税」を選択(2)マイナポータルへ移動(3)国税庁のサイトに戻り、本人情報を入力・確認(4)「給与所得」の申告(5)「公的年金等」「退職金」の申告(6)還付金額などを確認し、振込先を入力(7)送信(8)入力データの保存-で終了となる。
一見簡単そうだが、鹿児島税務署の担当者のアドバイスを受けながらでも1時間ほどかかった。画面上のチェックや入力、「次へ」ボタンのクリックが80カ所ほどあり、煩雑なのだ。
特に気を付けたいのが、「戻る」の操作。うっかりスマホ本体の「◀」や「<」の戻るボタンを押してしまうとエラーになり、初めからやり直さなければならなくなる。また、(4)の給与所得申告では、源泉徴収票をスマホカメラで撮影すると情報が反映されるようになっているが、正しい数字が反映されないことがあった。原本としっかり突き合わせることが大切だ。操作の途中で慌てることがないように、必要な書類はまとめて手元に準備しておきたい。
鹿児島税務署税務広報広聴官は「電子申告はパソコンやスマホで24時間いつでもどこでもでき、還付までの期間も従来より短くなる」と利点を語る。
確定申告は3月17日まで。期間中に開設される県内16会場では税務署員らが助言してくれるので、初めてで心配な人は利用してみては。入場には整理券が必要。当日配布もあるが、国税庁公式LINEアカウントでの事前予約が優先される。申告には待ち時間を含め、2時間半から3時間ほどかかるようだ。
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還付申告 給与から源泉徴収される会社員など、通常は確定申告をしない人でも所得税の返還を受けられる制度。医療費控除など年末調整では手続きできないため、申告が必要になる。提出期限は、申告する年分の翌年1月1日から5年間。