提言書を取りまとめ「これからがスタート」と語る津曲貞利座長=21日、鹿児島県庁
鹿児島県立短期大(鹿児島市)の活性化策を検討するため県が設置した有識者委員会(津曲貞利座長)の最終会合が21日、県庁であった。四年制化を求める声が上がる中、検討委は若者の県内定着に貢献している点を評価。「引き続き県立の短大として、資源を最大限活用し地域社会に貢献することが期待される」とする提言書を取りまとめた。3月に塩田康一知事へ提出する。
課題となっている学生確保に向けては、総合型選抜の導入に加え、選抜方法ごとの募集人員、試験日程の見直しを検討するよう求めた。高校生の認知度向上を図る取り組みとして、卒業後の進路をイメージできる情報発信を提案。企業・大学との連携強化も勧めた。
時代の要請に対応するため、リベラルアーツ(一般教養)や鹿児島への愛着を育む教育、データサイエンスやAIに関する教育の充実が望ましいと指摘。独立行政法人化については、メリットとデメリットの具体的な検証が必要とした。
津曲座長は「これからがスタート。進捗(しんちょく)のチェック、検証が必要だ」と強調した。県と県短は来年度、提言実現に向けた検討を進める。
県栄養士会(油田幸子会長)から、慢性的に不足する管理栄養士の養成を県短で可能にするよう求める要望書が、12日に提出されていたことも報告された。
傍聴席では、長年四年制化を求めてきた県短同窓会のメンバーが議論を見守った。木島隆会長(76)は「社会や学生のニーズに合わせた在り方を、その都度見つめ直してもらいたい」と話した。