新総合体育館建設予定地のドルフィンポート跡地。現在、サーカス会場となっている=1月10日
鹿児島県の西正智観光・文化スポーツ部長は25日、488億円に膨らむとした新総合体育館事業費について3月時点の推計であると明らかにした。今後の労務費や建設費の高騰までは見込んでおらず、事業費はさらに増える可能性がある。県議会代表質問で自民の西高悟議員(志布志市・曽於郡区)の質問に答えた。
県は民間事業者に資金調達から整備・運営までを包括発注するPFI手法を取りやめ、個別発注する従来型手法へ転換する方針。西部長は現時点で算出可能な理論上の推計値とし、「PFIと従来型を比較するために、設計、建設、15年間の維持管理運営費、30年間の金利の合計額を示した」と説明した。
県議会の理解を得られれば、設計費用を予算計上し、早ければ6月定例会に提案したい考え。さらなる事業費の増額について、塩田康一知事は「全くないとはいえない。遅れるほど増加する可能性がある」としている。
新体育館の事業費は基本構想の約2倍に膨らんだ。県はコスト削減のため8000席以上のメインアリーナを7000席に削減する案を示している。2020年度の需要予測調査で年間12回の開催が見込めるとしたコンサートについては、複数のプロモーターに改めて聞き取りした結果、「影響はあまりみられず、年間12回の開催が見込める」とした。
西高議員は「県民の納得を得ることは極めて困難であることが想定される。財政運営を含めて細かい部分まで徹底した審議を尽くすべきだ」と訴えた。