コメ集荷競争の激化を物語る…生産者への概算金、前年の2倍に高騰 県議会で明らかに 備蓄米放出による「米価の大幅下落」を懸念

2025/02/27 06:03
 鹿児島県は26日、2024年産の県内普通期米(ヒノヒカリ)について、集荷業者が生産者に仮払いする「概算金」が23年産と比べ、約2倍になっていると明らかにした。24年産早期米(コシヒカリ)の概算金は、前年比で約1.5倍だった。同日の県議会代表質問で答えた。

 県農産園芸課によると、24年産の玄米60キロ当たりの概算金は、普通期米が約2万5700円と23年産から1万3300円(107%増)、早期米が約1万8700円と5900円(46%増)値上がりした。

 概算金は卸価格の先行指標となり、店頭価格にも影響する。今回の概算金の上積みは、業者間の集荷競争の激化や肥料代など生産費用の高騰が背景にあるとみられる。全国的な概算金の引き上げもあり、店頭販売価格も上昇傾向にある。

 米盛幸一農政部長は、現在の店頭価格を「消費者にとって購入に負担を感じ、消費減少が懸念される」と言及。政府が予定する備蓄米放出については「米価が大幅下落すれば生産者所得への影響が考えられる。動向を注視したい」と述べた。

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