〈資料写真〉指宿スカイライン山田料金所
鹿児島県は28日、指宿スカイラインの谷山インターチェンジ(IC)-頴娃ICの道路改修について、完了予定が9年延びる見通しを明らかにした。事業費は88億円増え、通行料金の徴収期間も5年弱延長する。県議会一般質問で田畑浩一郎議員(自民、南九州市区)の質問に答えた。
当初の計画では完了予定が本年度末、事業費138億円だった。変更後は2034年3月、226億円になる。42年4月までとしていた有料区間の料金徴収は46年12月までとなる。
木佐貫浄治土木部長は事業費増額について「資材費と労務費の上昇や、橋などを詳細設計した結果」と答弁した。
県道路建設課によると、増額により費用を平準化する必要があることが、長期化する理由の一つという。改修事業は、急カーブの多い川辺IC-頴娃ICの線形改良と、老朽化したのり面対策の2種類。のり面工事は23年度に完了しており4億円の減額、線形改良は92億円の増額となる。
事業主体は県が全額出資する県道路公社。県は公社の事業変更への同意を求める議案を、開会中の3月定例会に提案している。
線形改良は16年3月に事業化し、22年度に着工した。10カ所で実施し、Ⅱ期区間(谷山IC-頴娃IC)が29.2キロから28.4キロに短縮する。本年度末時点の進ちょく率は費用ベースで21%。
事業費は全額を通行料金収入で賄う。指宿スカイラインの23年度料金収入は約28億8000万円。同課は「費用回収の面で問題はない」としている。工事に伴う交通規制については、全面通行止めはしない見通し。通行料金の値上げも予定していない。