曽於市の取り組みで開発を担当した水道課の大峯直樹さん(中央)=同市役所
デジタル技術を活用して人材育成や組織づくりに挑戦する企業や団体に贈られる日本デジタルトランスフォーメーション(HRDX)賞の大賞に、鹿児島県曽於市の「地方発! DX水道SOOリューション~ノウハウが導く持続可能な上下水道」が輝いた。
賞は一般社団法人「日本デジタルトランスフォーメーション推進協会」(東京)が主催。次世代の働き方や組織変革を実現した取り組みを表彰する。最終審査が20日にあり、同市を含めてダイハツ工業や荏原製作所など九つの企業・団体が残っていた。
同市水道課は、上下水道を一括管理する新システムを開発した。慢性的な人手不足の中、事務職員でも現場対応できるように上下水道の稼働監視や機器台帳、地図情報を一元化。パソコンやタブレット端末、スマートフォンでいつでも状況を把握できるようにした。また隣接市町村との広域連携により、緊急用資材を融通しやすいようにした。
同推進協は「革新的なソリューション(解決方法)を打ち出し、広域・地域連携を積極的に推進した」と評価。開発担当の水道課課長補佐の大峯直樹さん(45)は「受賞は想定外で驚いた。技術継承の仕組みができたことで組織強化につながったと思う」と話した。