ないと困るが…鹿児島県の新総合体育館計画、事業費488億円には駐車場整備費含まれず

2025/03/03 11:40
鹿児島県が計画する新総合体育館の駐車場予定地だった住吉町15番街区(手前)=2024年1月(本社チャーター機から)
鹿児島県が計画する新総合体育館の駐車場予定地だった住吉町15番街区(手前)=2024年1月(本社チャーター機から)
 488億円に事業費が膨らむ鹿児島県の新総合体育館計画で、駐車場整備の議論が置き去りになっている。2月14日に見直し案を県議会に説明した塩田康一知事も、触れることはなかった。事業費に駐車場整備分は含まれておらず、さらに追加費用が必要になる。

 2022年3月策定の新体育館の基本構想では、鹿児島港本港区の住吉町15番街区に一般車両約500台、バス約50台の駐車場を設けると明記。約3億円かけるとしていた。民間事業者に資金調達から整備・運営までを包括発注するPFI手法を導入し、ドルフィンポート跡地の新体育館と一体で整備することを検討した。

 しかし、本港区のまちづくりを議論する過程で、住吉町には鹿児島市によるサッカースタジアム構想(23年6月断念)や、鹿児島商工会議所が提案した国際会議や展示会など「MICE(マイス)」施設が浮上した。

 県は事業費を313億円に増やしPFIを導入することにした24年2月、住吉町での駐車場整備を対象から外した。スポーツ・コンベンションセンター整備課は「新たな利活用があった場合に対応が難しくなるため」と理由を説明する。現在まで、駐車場単独での整備費の新たな試算はしていないという。

 今年2月の県議会への説明では、議員から「建物だけでなく駐車場も整備しないと利用者は困る」との指摘が出た。同課の西博夫課長は「(新体育館の)利用開始までに整備したい」と回答。DP跡周辺に6カ所ある県営駐車場の利用を念頭に「具体的な整備手法を検討していく」と述べるにとどめた。

 新体育館での開催を想定する各種スポーツ大会には、客席数などの基準がある。西課長は全ての大会について調べた訳ではないとしつつ、「駐車場の基準はない」としている。

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