手錠をしたまま容疑者を取り調べ、あった…24年に2回、22~23年は件数不明 鹿児島県警の岩瀬本部長、県議会で答弁

2025/03/05 21:33
手錠をしたままの取り調べについて答弁する県警の岩瀬聡本部長=5日、鹿児島市の県議会
手錠をしたままの取り調べについて答弁する県警の岩瀬聡本部長=5日、鹿児島市の県議会
 鹿児島県警の岩瀬聡本部長は5日、2022年から24年までの間に、手錠をしたまま容疑者を取り調べた事例が複数回あったと明らかにした。「心理状態に何らかの圧迫を与え、自白の任意性に疑いが生じ得るため、特殊な事情を除き避けるべき。事案発生時に必要な措置を講じている」と述べた。詳細な件数は「統計がなく不明」とした。

 県議会で内田一樹議員(自民、薩摩川内市区)の一般質問に答えた。内田議員は、県警の内部文書「刑事企画課だより」を情報公開請求。23年9月21日付の文書に「22年から23年にかけて、手錠を施したままの取り調べ事案が複数回にわたり発生した」との記載があり、件数などを質問した。

 岩瀬本部長は「24年は2件あり、22、23年は発生を確認したものの件数は把握していない」と答えた。刑事企画課だよりには(22年から23年までの間に)逮捕直後に言い分を記録する弁解録取手続きでもあったと記載しているが、24年の2件においては同手続きではないという。

 刑事企画課によると「24年の2件は故意ではなく、担当した警察官らの連携不足による」としている。取り調べ中に気付き、容疑者に説明して手錠を外し、改めて調べたという。時期や容疑内容などは「記録がなく不明」。同課は、自白の任意性が担保されたかどうかは判断しかねるとした上で「事件の処理や公判に影響があったとの報告は受けていない」と回答した。

 この2件は該当部署からの報告で発覚した。同課によると、同様の事案の有無を調査する予定はない。

 総務課によると、24年5月21日付の本部長通達で、取調室の「入退室記録簿」の様式の一部を改正。手錠の解錠を確認する欄を追加し、6月1日施行した。

 監察課は「発表するべき不祥事は指針に照らして適切に対応している」とし、24年の2件については「処分の有無を含めて回答を控える」と答えた。

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