資料写真
鹿児島県湧水町が花と実を活用するために地域おこしで栽培するアーモンドについて、食用に適さない品種だったことが分かった。6日の町議会一般質問で町が明らかにした。
町によると、同町木場の栗野岳中腹に「アーモンドの丘」を整備した。2015年度に主に観賞用として苗木約2000本を植栽した。春には桜に似た花を咲かせるが、実を収穫できるまでに数年かかった。
22年度に一部の実を成分分析したところ、植えてある品種は化粧用オイルや香料、薬の原料となる「ビター系」と判明。実の中にある仁からは基準値を超えるシアン化合物を検出した。これまで流通はしていないという。ほかの木も食用に適した品種ではなく、ビター系とみられる。
町は今後、接ぎ木して食用の実を生産するほか、フェースオイルや石けんなどに加工し、特産品化を目指す。池上滝一町長は「鹿児島大学農学部の協力を得て栽培方法を確立したい」と話している。