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上智大の三浦まり教授らでつくる「地域からジェンダー平等研究会」は8日の国際女性デーに合わせ、各地域の男女平等度を政治、行政、教育、経済の4分野で分析した2025年の「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」を公表した。今年は国連が国際女性デーを提唱して50年。鹿児島県は4分野のうち3分野が40位前後と低迷し、格差が際立った。
政治(0.157)は39位と後退した。行政(0.263)は41位、教育(0.579)は40位、経済(0.430)は15位とやや上昇したものの、いずれの指数も平等を示す「1」にはほど遠かった。
4分野で最も順位が低い行政は、10項目のうち「都道府県防災会議男女比」「都道府県職員の育休取得率男女格差」など3項目が前年よりややダウン。育休取得率44位、市区町村管理職男女比45位と低調だった。
三浦教授は「行政に関する項目は政府目標になっているものばかり。本来は全てで改善すべきで後退するものがあってはならない」と強調する。
政治分野は、「市町村議の男女比」が39位、「女性ゼロ議会」が41位。女性知事の誕生もなく、女性の国会議員や市町村長がいないことも影響した。
教育分野は42位からアップした。「4年制大学進学率」は男女ともに上がり35位。高校の校長に占める女性の割合は2.3ポイント増の10.2%になり31位から28位に上昇。他の項目はほぼ横ばいだった。
経済分野では、フルタイム男女間の賃金格差の指数が前年の18位から23位に。「社長数男女比」と「農協・漁協役員男女比」は30位前後で大きな変化はなかった。
三浦教授は「指数の後退が常態化しないよう、下がった分野は注視する必要がある」と指摘する。
指数は22年から公表し今回で4回目。内閣府などの統計から4分野の計30指標を選び、スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数に準じた手法で統計処理した。