鹿児島市役所
鹿児島市が2002年に宅地開発を許可した「ニュータウン慈眼寺団地」(下福元町・錦江台1丁目、19.4ヘクタール)について、事業主体の建設会社が開発工事の廃止届を市に提出し、事業が白紙となったことが16日分かった。市は同地区を市街化区域に編入していたが、今後、市街化調整区域に戻す。
市都市計画課によると、業者は南さつま市の建設会社。計画戸数372戸、計画人口1302人の事業で、1997年に市街化調整区域内で秩序ある開発を認める「保留人口フレーム解除」の候補地として承認され、2001年に区域が市街化区域に編入されていた。
業者から2月、他の企業との共同事業の交渉がこれまで成立せず、近年の物価高騰による事業費増大を考慮すると開発は困難として、工事廃止と同フレーム解除承認辞退届が提出された。地権者には業者が開発中止を説明したという。
市は01年、ニュータウン慈眼寺団地など7地区を人口フレーム保留制度を適用し、市街化区域に編入。うち星ケ峯南など4地区は開発が終了した。慈眼寺団地と万田ケ宇都(土地区画整理)は事業が中止され、南伊敷(同)は地権者でつくる組合が業務代行業者の選定に向け協議している。