重機を入れた大がかりな発掘調査が始まった現場=大阪府
大阪府南部の和泉山脈山中で、大型海生爬虫類・モササウルス類の発掘が始まりました。30年前に骨の一部が発見された場所は、砂質泥岩層が厚く堆積した崖。地権者の支援をもらい、重機を使って化石を含む地層を大がかりに崩す作業からになります。
崖を崩すたびに、和泉山脈では数例しか見つかっていない貴重なアンモナイトや巨大な二枚貝など、多様な生物化石群がざくざく出てきました。まさに宝の山です。この白亜紀の豊な海が、頂点捕食者であるモササウルス類の、巨大な体を支えていたと実感できる成果です。
崖から落とした多くの岩塊(がんかい)は泥土にまみれていて、骨や歯などの有無については、雨などで表面が洗われてからの調査作業になります。果たして、巨大モササウルス類の骨の続きがあるのか、他のモササウルスの発見はあるのかなど、今後の進展を、楽しみにしていてください。
さて、この連載も足掛け3年、55回目を迎えました。ここらでいったん、筆を置こうと思います。
化石採集には三つの楽しみがあります。一つ目は発見の楽しみ、二つ目は研究の楽しみ、そして三つ目は古生物を通じて、たくさんの方々とつながれる楽しみです。
連載を通じて、多くの鹿児島の方々と知り合えました。ぜひ、みなさんも化石採集に野山に出かけてみてください。きっと大きな発見が待っているはずです。未来の化石ハンターはあなたかもしれません。私も負けていませんよ。今後大きな発見をしたら、紙面を通じてお知らせできるかもしれません。またいつかお会いしましょう。
=おわり=