カチューシャを着け、誕生日祝いのケーキを前に笑顔を見せる坂下サトさん=20日、鹿児島市星ケ峯2丁目
鹿児島市の最高齢者で1914(大正3)年生まれの坂下サトさん=西陵2丁目=が20日、111歳の誕生日を迎えた。利用するデイサービス施設「だんらん」=星ケ峯2丁目=で誕生パーティーが開かれ、利用者や職員からの祝福に「ばっばんはうれしか」と笑顔を浮かべた。
坂下さんは日置市伊集院出身。同居する嫁の鈴子さん(81)によると、長年地元の茶工場を手伝い、99歳まで伊集院で1人暮らしをしていた。今年に入って新型コロナに感染し、腰痛で入院も経験したが、見舞客を手踊りで迎えるなどサービス精神は健在という。「毎日10時間以上眠り、食事も腹八分目。それが元気の秘訣(ひけつ)でしょう」と鈴子さん。
週3日通うデイサービスの仲間や職員は、坂下さんを「アイドル」「お母さん」と慕う。施設の田中いく代所長(75)は「ちゃめっ気たっぷりで周りを明るくしてくれる」。利用者の西薗チヅさん(86)は「服装の乱れがあれば注意してくれ、トイレに立つと『気をつけて』と声をかける。いつも気にかけてくれる」と感謝する。
誕生パーティーには70〜90代の利用者9人と、職員10人ほどが参加。「ばっばんおめでとう」の言葉と一緒にメダルや花束、寄せ書きを次々に贈られると、得意の手踊りで喜びを表し、涙を拭くしぐさも見せた。坂下さんは「今日みたいな日がまた来るように、これからも生きんならね」と語った。