機械検査2級合格を喜ぶ鍋山央駕さん=鹿屋市の鹿屋農業高校
鹿屋農業高校(鹿児島県鹿屋市)農業機械科3年の鍋山央駕(おうが)さんが、技能検定で難関とされる機械検査2級に県内高校生で初めて合格した。野球部に所属し、どちらの練習も最後まで手を抜かずに両立して快挙を達成した。
機械検査2級の試験は、4種類の機器で部品の21カ所の寸法を規定時間内に1000分の1ミリ単位などで測定したりする。図面だけを見て検査の段取りを決め、角度や長さを算出する技能も求められる。本年度はいずれも1月、鹿児島市であり、全体で5人が受検して合格は1人だけだった。
放課後の部活動前や休日に練習を重ねたほか、1級を持つ「ものづくりマイスター」を校内に迎え、他の受検生と一緒に実技を中心に学んだ。見守ってきた実習助手の高倉秀樹さん(53)は「能力とセンスに加え、野球で培った集中力や忍耐力を備えている」とたたえる。
鍋山さんは「検定の練習がうまくいかない時期もあった。合格できて、周りの人の支えがありがたいと思った」。4月、福岡県内の大学に進学する。「いろいろ経験をしながら、資格を生かせる仕事に就きたい」と話す。