定期外利用者11年で1.5倍増…沿線人口減のなか「おれ鉄」経営安定化へ挑戦的目標設定 決済法や割引切符などサービス向上に知恵絞る 法定協が計画素案了承

2025/03/27 21:00
 第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(熊本県八代市)の経営安定化を図るため、国の「社会資本整備総合交付金」活用に向けた第3回法定協議会が26日、鹿児島県出水市であった。定期外利用者を2035年度に1.5倍に増やす目標を掲げた地域公共交通計画の素案を了承した。4月に実施するパブリックコメント(意見公募)を踏まえ、計画を決定する。

 計画は25~35年度までの11年間。23年度に24万2000人だった定期外利用者を35年度に35万9000人に伸ばすことや、全ての車両か駅へのキャッシュレス決済導入、運転士を28年度までに6人増やすことなどを目指す。

 サービスの利便性向上など15の施策に基づき、駅の利用案内の多言語化や貨客混載輸送、商業施設の割引がついた切符販売を行う。法定協などで施策の進捗(しんちょく)を確認し、必要に応じて見直す。

 委員からは「人口減少が進む中、定期外利用者の1.5倍増は挑戦的な目標。現状の2倍に引き上げる感覚で施策を実行する必要がある」との意見が出た。

 法定協では、本年度中の地域公共交通計画策定を目指していたが、25年度にずれ込む。同年度に事業実施計画を策定して国土交通省の認定を受け、26年度に交付金の活用開始を見込む。

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