100超える質問データ化、AIが条件や内面踏まえマッチング…婚姻件数右肩下がりの鹿児島市、相談所の利便性高め「出会いの機会」サポート

2025/03/27 21:30
AIマッチングシステムで性格診断するための質問画面
AIマッチングシステムで性格診断するための質問画面
 鹿児島市の結婚相談所「マリーサポートかごしま」は、異性の紹介に人工知能(AI)を導入した。性格診断を元に、相性が良いと思われる相手をAIが探し出す。オンライン化することで窓口に赴く必要もなくし、利便性向上を図っている。

 市こども政策課によると、市の結婚相談所は1965(昭和40)年、市中央公民館(山下町)に開設されたのが始まりで、2016年にキャンセビル7階(中央町)に移転した。05~23年度の婚約成立実績は251組。25年2月末の会員数は432人で、男女はほぼ半々。

 AIは25年1月下旬に導入した。会員に100を超える質問にオンラインで回答してもらい、性格の傾向をデータ化。年齢や収入といった条件だけでなく、内面も含めて相性が良いと思われる相手とのマッチングを促す。

 従来は窓口で台帳をめくって相手を探していたが、オンライン化により会員の利便性も向上させた。相手の検索や面会の申し込みを、スマートフォンなどから手軽にできる。同課は「出会いの機会を充実させ、結婚を希望する人をサポートしていきたい」としている。



 鹿児島市内の婚姻件数は近年、減少傾向にある。2023年は2194件。比較可能な05年以降でみると、ピークだった06年の3644件の約6割にとどまる。婚姻数と同様に出生数も減っており、市は人口減少への危機感を強めている。

 市こども政策課によると、旧5町との合併直後の05年、婚姻は3459件だった。18年に初めて3000人を割ると、20年以降は急減した。婚姻率(人口千人に対する年間婚姻件数)は06年に6.0だったが、23年は3.8まで落ち込んだ。

 同期間の出生数は、08年の5882人をピークに減少傾向。23年は4085人で、08年の7割弱にとどまった。

 市は24年に若者へのアンケート調査(対象15~29歳、3000人、回答693人)を実施。未婚・晩婚が増える理由を複数選択で尋ねたところ、「経済的に余裕がない」が58.7%で最多。「結婚の必要性を感じない」が51.9%、「独身の自由さや気楽さを失いたくない」が47.2%、「異性と知り合う機会がない」が34.8%と続いた。

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