幕末の薩摩から密かに英国へ渡った若者は米国でブドウ王となる…長沢鼎がカリフォルニアで経営したワイナリーがこれだ! 鹿児島国際大教授が1930年代の航空写真を入手

2025/03/30 18:00
長沢鼎
長沢鼎
 薩摩藩英国留学生の一人長沢鼎(1852~1934年)が、米国カリフォルニアで経営したワイナリーの航空写真が見つかった。1930年代後半に撮影されたとみられるカラー写真で、建物やブドウ畑、自動車などが写っている。

 長沢の親類の子孫で、米国在住のメアリー・イジチさんから、長沢を研究する鹿児島国際大学の森孝晴教授(70)が入手した。縦13.5センチ、横18センチで撮影者は不明。長沢が営んだ「ファウンテングローブ ワイナリー」と英語の添え書きがある。森教授によると、長沢の死後、間もない時期に撮影された可能性がある。

 白壁のワイナリー入り口や、とがった屋根が特徴のシェリー酒の関連施設、整然と並んだブドウの木々が写る。黄色や水色の自動車が止まっているのも分かる。ワイナリーは長沢の死後、人手に渡って別の会社がブドウ畑を営んでいる。建物はなくなり当時とは様子が変わっているという。

 森教授は「ワイナリーの中心的な場所を撮っており、長沢が活躍した時期の雰囲気を伝える貴重な資料だ」と話す。写真は同大学内の長沢関連の資料室で展示する。

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